「妖精とサンタクロース」の解説

ShimuraTakayuki

2007年12月12日 21:58


2005年12月に書いたものです。
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 2005年12月29日で、物語を書き始めて、ちょうど20年が経ちます。

 1985年12月29日、私の頭の中は、1つの物語で、一杯でした。
 その当時、東京澁谷の道玄坂に、会社がありまして、
 コンピュータのシステムエンジニア(通称SE)の仕事を
していました。
 この日は、職場に私ひとり残って、仕事をしていました。

 実は、その時、ひょんな事から、
 プラトンとソクラテスの事が気になっていました。
 そして、最大の疑問は、
「プラトンは、なぜ自分とソクラテスの対話編を書かなかったのだろうか?」
というものでした。
 また、
「初めてふたりが会った時、どんな対話をしたのだろうか?」
というのも気になっていました。

 その日も、仕事が一段落して、ふと気づくと、ふたりの出会いが、頭の中で、展開されていました。
 しかし、私は、作文が苦手で、何かを書くということは、考えられませんでした。
 この夜、会社を出て、道玄坂を降りて、渋谷駅に向かいました。

 途中、映画館で、『サンタクロース』の看板を見かけました。
 その日の最終の上映が始まる所でした。
 そこで、あまり期待せずに、ひとりで、見ることにしました。
 ところが、最初の10分間に、とても感動したんです。
 気が付いたら、泣いていました。
 その後の展開は、子供向けの映画になっていましたが、
 最後まで、見ることにしました。

 そして、映画館を出る時には、
(優しいおじいちゃんて、本当に、いいな!)
と、心から思っていました。

 私は、会社に戻っていました。
 そして、A4サイズのメモ用紙に、鉛筆で、物語を書いていました。
 ごく自然に、書いていたんです。
 3時間ほどで、書き上げました。
 それが、
「プラトニック・ストーリー」1.プラトンの回心
なんです。
 この日から、物語を書く生活が始まりました。

 ですから、この日、私は、『サンタクロース』から、「物語を書く」というクリスマスプレゼントを受け取ったんですよ。

 ということで、
「小びとの国のケーママ」3.クリスマスプレゼント
は、20周年目の記念に書いています。
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2006年になって、スカイプ朗読用に、
「小びとの国のケーママ」3.クリスマスプレゼント
を、
小びとの国のケーママ・外伝 第3話「妖精とサンタクロース」
に、リメイクしました。
作品解説